紹介手数料を支払った場合の経理処理をくわしく解説!
顧客を紹介してもらい手数料を支払った場合は内容により処理する科目が変わるため会計処理に注意が必要です。今回は注意点の多い紹介手数料についてわかりやすく解説します。
紹介料の支払いで使う勘定科目とは?
顧客を紹介してもらい手数料を支払った場合は、内容により以下の科目で処理することが一般的です。
【接待交際費】
【支払手数料】
【給与手当】
接待交際費で処理する場合
人材紹介会社や不動産仲介業者など以外の社外関係者の法人や個人に紹介料を支払った場合は「接待交際費」で処理し、仕訳(税込経理の場合)は以下のようになります。
借 方 | 課税区分 | 金 額 | 貸 方 | 課税区分 | 金 額 |
---|---|---|---|---|---|
接待交際費 | (課税仕入) | ××× | 現金 | (不課税) | ××× |
注意点
法人の場合、交際費の損金算入には制限があるため申告の際は注意が必要です。
なお、交際費の詳細については以下のページをご覧ください。
支払手数料で処理する場合
通常は接待交際費で処理しますが、あらかじめ契約を締結するなど以下の要件を満たした場合は接待交際費ではなく、支払手数料などの科目で処理することができます。
61の4(1)-8 法人が取引に関する情報の提供又は取引の媒介、代理、あっせん等の役務の提供を行うことを業としていない者に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、その金品の交付につき例えば次の要件の全てを満たしている等その金品の交付が正当な対価の支払であると認められるときは、その交付に要した費用は交際費等に該当しない。
国税庁:(情報提供料等と交際費等との区分)
- その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
- 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
- その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。
紹介手数料を支払手数料で処理する場合の仕訳(税込経理の場合)は以下のようになります。
借 方 | 課税区分 | 金 額 | 貸 方 | 課税区分 | 金 額 |
---|---|---|---|---|---|
支払手数料 | (課税仕入) | ××× | 現金 | (不課税) | ××× |
給与で処理する場合
自社の従業員など雇用契約に基づく相手に紹介手数料を支払った場合は、「給与手当」で処理します。
借 方 | 課税区分 | 金 額 | 貸 方 | 課税区分 | 金 額 |
---|---|---|---|---|---|
給与手当 | (不課税) | ××× | 現金 | (不課税) | ××× |
なお、給与手当は消費税は不課税取引となります。
まとめ
今回は、顧客を紹介してもらった際に支払う紹介手数料の会計処理について解説しました。
ケースにより使う勘定科目が変わるほか、消費税の区分にも注意が必要となるため勘定科目を慎重に判断するようにしましょう。