【税理士が解説】車を購入したときの仕訳と税務上の注意点とは?

法人や個人事業主が業務用に車を購入した場合、正しく仕訳処理を行うことが重要です。本記事では、車両購入時の仕訳方法や消費税・減価償却の考え方についてわかりやすく解説します。

車を購入したときの基本的な仕訳処理

勘定科目は「車両運搬具」が基本

業務で使用する車を購入した場合、取得金額は「車両運搬具(資産)」として処理します。

【具体例】

 300万円の普通車を普通預金で購入した場合の仕訳は以下のとおりです(税込経理方式の場合)。

借 方金 額貸 方金 額
車両運搬具3,000,000普通預金3,000,000

なお、ローン(割賦購入)の場合は、未払金を使用し以下のような仕訳となります。

借 方金 額貸 方金 額
車両運搬具3,000,000未払金3,000,000

個人使用との区別に注意

個人事業主の場合は業務と私用が混在する場合は、使用割合に応じた按分処理が必要となり私用分は経費計上できません。

なお、法人が所有する車両は原則として業務用として使用することが求められます。

車両購入時にかかる諸費用の仕訳

車両購入時には通常様々な諸費用がかかりますが、それぞれ適切な勘定科目により仕訳を計上しなければなりません。

【具体例】

以下のような内容で車両を購入した。
 ・車両本体:2,000,000円
 ・検査登録手続代行料:30,000円
 ・自動車税:35,000円
 ・自動車重量税:15,000円
 ・自賠責保険料(12ヶ月):25,000円
 ・車庫証明費:5,000円
 ・支払方法:全額現金払い

借 方金 額貸 方金 額
車両運搬具2,000,000現金2,110,000
租税公課50,000
支払手数料35,000
支払保険料25,000

注意点

※実務上は1年以内の短期前払費用は重要性が低ければ当期費用処理が可能なため、自賠責保険料が1年分であれば「支払保険料」として当期費用処理することが一般的です(法人税基本通達2-2-14 参照)。

減価償却のポイント

車両運搬具は固定資産のため、通常は耐用年数に基づき減価償却を行います。

【耐用年数】

・普通自動車(一般用):耐用年数 6年
・軽自動車(一般用) :耐用年数 4年

減価償却の方法

【具体例】

 期首に300万円の車両を購入し、定額法6年で償却した(直接法の場合)

借 方金 額貸 方金 額
減価償却費500,000車両運搬具500,000

注意点

※期中取得であれば月数で按分する必要があるため注意が必要です。

まとめ

車の購入は金額が大きくなるため、仕訳処理や税務上の取り扱いを誤ると後々トラブルの元になります。このため車を購入した際は慎重に経理処理を行うようにしましょう。