個人事業を開業したときの開始仕訳をわかりやすく解説!

開業初年度にまず行う経理処理として開始仕訳というものがあります。この会計処理は忘れてしまっていることが非常に多い項目になりますので、今回はこの開始仕訳について解説します。

開始仕訳とは?

個人事業主が事業を開始した場合は、開業日における事業用の現金や普通預金、開業前にかかった費用、借入などの金額を確定しその残高を計上しなければなりません。このときに計上する仕訳を開始仕訳といいます。

実際の会計処理は?

それでは実際の会計処理はどのように行えばいいのか、下記に①初めから青色申告で事業を開始した場合と②白色申告から青色申告に変更した場合の具体例を挙げながら説明します。

①青色申告で個人事業を開始した場合

【具体例】
個人事業の開業にあたり、普通預金500,000円、備品200,000円、保証金150,000円、開業前に支出した費用300,000円、借入金300,000円の残高がある場合

借 方金 額貸 方金 額
普通預金500,000借入金300,000
工具器具備品200,000元入金850,000
差入保証金150,000
開業費300,000

注意点

借方と貸方の差額が「元入金」となります。

なお、開業費についての詳細は以下のページをご覧ください。

②白色申告から青色申告に変更した場合

【具体例】
白色申告から青色申告へ変更し、普通預金600,000円、備品180,000円(取得価額20万円、減価償却累計額2万円)、保証金150,000円、借入金200,000円の残高がある場合

借 方金 額貸 方金 額
普通預金600,000借入金200,000
工具器具備品180,000元入金730,000
差入保証金150,000

注意点

借方と貸方の差額が「元入金」となります。

白色申告から青色申告へ変更した時点の資産や負債の残高をすべて計上します。

まとめ

今回は個人事業主が開業時に行う開始仕訳について解説しました。

開始仕訳を行わないと財務諸表に正しい残高が計上されないため、必ず残高をチェックし正しい仕訳を計上するようにしておきましょう。