受取利息の会計処理とは?

預金に利息が入金された場合の処理は個人事業主と法人では経理処理が異なります。今回は受取利息の仕訳について個人事業主と法人とにわけて解説します。

受取利息とは?

受取利息とは、金融機関に預けている預貯金や会社が貸付けている貸付金などから受け取ることができる利息のことをいいます。

受取利息は個人事業主と法人では会計処理が異なり、法人の場合は会計や税金の知識がないと適切な処理ができないため間違いが多い項目となります。

具体例

以下の具体例を基に個人事業主と法人にわけて説明します。

【具体例】普通預金に150円の利息が入金された場合

個人事業主の会計処理

個人事業主の場合は所得の種類に応じて所得を10種類にわけます。このため受取利息は事業所得ではなく、利子所得になり、以下の仕訳をするだけとなります。

普通預金150事業主借150

個人事業主が受け取る利息からは所得税・復興所得税が15.315%と地方税5%がすでに差し引かれています。このため源泉分離課税の対象となり納税が完結しているため確定申告で利息を申告する必要はありません

ただし、一般的な利息ではなく以下のようなものである場合は注意が必要です。

注意点

・従業員への貸付による利息 → 事業所得受取利息で処理)

・友人への貸付による利息  → 雑所得事業主借で処理)

法人の会計処理

法人の場合は「受取利息」という勘定科目を使って以下のような仕訳をするの方法が一般的です。

普通預金150受取利息177
法人税等27
※勘定科目は「法人税・住民税および事業税」や「租税公課」などを使うこともあります。

法人が受け取る利息からは所得税・復興所得税15.315%が差し引かれています。平成28年1月以降は地方税利子割が廃止されているためこの点を考える必要は無くなりました。

実際の計算方法は以下のように割り戻して計算します。

150円 ➗ 0.84685 = 177円(1円未満切捨)

「0.8465」は「1−15.315%」で計算しています。

上記のような処理を行うと所得税が法人税などから控除できます。法人税の申告書を作成する際はこの所得税控除を受けるため以下の別表の記載が必要となるので忘れないようにしましょう。

注意点

⚫︎ 別表一(一) 普通法人等の確定申告書

⚫︎ 別表四    所得の金額の計算に関する明細書

⚫︎ 別表六(一) 所得税額の控除に関する明細書

まとめ

今回は受取利息の会計処理について個人事業主と法人にわけて解説しました。

特に法人の場合は少しややこしいですが、所得税控除を受けるため正しく処理をしておく必要があります。別表の記載も忘れないようにしましょう。