郵便局のレターパックの仕訳と勘定科目|税理士が教える経理の実務ポイント

郵便局のレターパックの仕訳と勘定科目|税理士が教える経理の実務ポイント

郵便局のレターパックは日常の発送業務でよく利用されますが、勘定科目や仕訳の扱いに迷う方も多いです。この記事では、通信費・貯蔵品の扱いや消費税の注意点も含め、実務で使える処理方法を税理士の視点から解説します。

レターパック購入の基本と勘定科目

レターパックの勘定科目は基本的に「通信費」で処理します。

  • 消費税の課税仕入れは、原則として「実際に発送サービスを受けた時点」で認められますが、毎期継続して購入時に課税仕入れとして処理することも可能です(消費税法基本通達11-3-7)。
  • 貯蔵品として資産計上して、使用時に通信費へ振替える方法もあります。

ポイントは、事業に関係する支出かどうかを明確にすることです。プライベート利用が混ざる場合は、事業分だけを経費計上する必要があります。クレジットカードなど支払い手段を事業用と個人用で分けることが管理のコツです。

会計処理の3パターンと期末振替

① 毎期継続で購入時に通信費処理する方法

毎期継続して購入している場合、購入時に通信費として処理が可能です。

  • 仕訳例(購入時)
借 方金 額貸 方金 額
通信費430現金430

② 購入時に通信費として処理する方法

購入時に通信費として処理した場合は以下の仕訳となります。

  • 購入時の仕訳(レターパックライト10枚購入の場合)
借 方金 額貸 方金 額
通信費4,300現金4,300
  • 期末振替の仕訳(上記のうち1枚残った場合)
借 方金 額貸 方金 額
貯蔵品430通信費430

③ 購入時に貯蔵品として計上し、使用時に費用振替する方法

購入時に貯蔵品として資産計上した場合の仕訳は以下となります。

  • 購入時の仕訳(レターパックライト10枚購入の場合)
借 方金 額貸 方金 額
貯蔵品4,300現金4,300
  • 使用時の仕訳(上記のうち1枚使用の場合)
借 方金 額貸 方金 額
通信費430貯蔵品430

※実務上はレターパックと一緒に収入印紙を購入することも多くあります。この場合の会計処理も混同されやすいため、別記事で詳しくまとめています。 以下のページをご覧ください。

実務でありがちなトラブル

第2章でご紹介した3パターンの処理に関連して、実務上よくあるトラブルと対応策を整理します。

1. 小口の購入をまとめすぎて把握できなくなる

レターパックは1枚あたり数百円と少額ですが、まとめて大量購入すると、どの分が使用済みか、どの分が残っているかの管理が曖昧になりやすいです。
結果として、決算時に費用計上や貯蔵品振替が不明確になるため、管理を徹底するようにしましょう。

2. 勘定科目のバラつき

購入時に通信費として処理するか、貯蔵品として処理するかを統一していないと、毎月の仕訳が混在してしまい、決算整理での手間が増える原因になります。
当事務所では、顧問先ごとに勘定科目ルールを設定し、毎月の処理が迷わないようにサポートしています。

3. 領収書・明細の管理不足

郵便局やコンビニで購入した場合、レシートや明細を紛失してしまうケースがよくあります。
証憑が不足すると、経費として認められないリスクがありますので、毎回レシートを保管する習慣が重要です。

まとめ

レターパック代は、毎期継続して購入している場合は①購入時通信費処理が最もシンプルな会計処理です。重要なのは、事業に関連する支出かどうかを明確にして経費計上することです。当事務所では、大阪を拠点にしつつ、オンラインを通じて全国の事業者様のサポートも行っています。レターパック代の会計処理や税務面で不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。