年末調整の仕訳についてわかりやすく解説！
yoshikawa
年末調整の処理が終わった後は通常の給与の支払い時とは異なった会計処理を行う必要があります。今回はこの年末調整後の経理処理について解説します。
年末調整とは？
年末調整とは、給与の支払いを受ける従業員を対象として毎月の給与の支給時に預かった源泉所得税の合計額と納めるべき所得税の金額を比べてその過不足額を精算する手続きのことをいいます。
年末調整手続きの結果、源泉所得税を多く徴収しすぎていたため還付される場合と、源泉所得税の徴収が少なかったため従業員から追加徴収する場合があります。今回はそれぞれの場合の会計処理について下記で解説します。
年末調整時の仕訳方法
還付金があった場合の仕訳
【具体例】
従業員に普通預金口座から給与を支払った。
なお、給与明細の内訳は「基本給280,000円、通勤手当20,000円、給与天引きした社会保険料40,000円、源泉所得税10,000円、住民税5,000円、還付金20,000円」であった。
| 借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 |
|---|---|---|---|
| 給与手当 | 280,000 | 普通預金 | 265,000 |
| 旅費交通費 | 20,000 | 預り金（社会保険料） | 40,000 |
| 預り金(源泉所得税) | 20,000 | 預り金（源泉所得税） | 10,000 |
| 預り金（住民税） | 5,000 |
注意点
年末調整還付金として還付する預り金を借方に記載します。
追加徴収があった場合の仕訳
【具体例】
従業員に普通預金口座から給与を支払った。
なお、給与明細の内訳は「基本給280,000円、通勤手当20,000円、給与天引きした社会保険料40,000円、源泉所得税10,000円、住民税5,000円、追加徴収15,000円」であった。
| 借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 |
|---|---|---|---|
| 給与手当 | 280,000 | 普通預金 | 230,000 |
| 旅費交通費 | 20,000 | 預り金（社会保険料） | 40,000 |
| 預り金（源泉所得税） | 10,000 | ||
| 預り金（住民税） | 5,000 | ||
| 預り金（源泉所得税） | 15,000 |
注意点
年末調整不足額として追加徴収する預り金を貸方に記載します。
まとめ
今回は年末調整時の会計処理について解説しました。
年末調整により預り金を精算しますが、還付する場合と追加徴収する場合で異なった会計処理が必要となり預り金の残高を含めて間違いが多い項目となるため注意が必要です。
