医療法人化のメリットとデメリットとは?

経営が軌道に乗って医療法人化を考えていらっしゃる先生も多いと思います。

そこで今回は医療法人化のメリットとデメリットを解説します。

医療法人とは?

医療法人とはわかりやすく言うと「医療法」に定められている病院や診療所、介護老人保健施設、介護医療院などの医療施設を開設することを目的とした団体のことを言います。

個人医院を開業した場合、一般的に2〜3年で軌道に乗り所得が安定してきたら医療法人化を検討するタイミングとなります。

医療法人化にはメリットだけではなく、デメリットもあります。これらを比較検討しあらかじめ予測しておくことが医療法人化を成功に導く秘訣になります。

以下では医療法人化に伴う主なメリットとデメリットについて説明します。

医療法人化のメリットとは?

社会的信用力の向上

一般の法人と同じように医療法人化することにより社会的信用力が向上します。

法人化することにより事業と家計が明確に分離されることがその要因として挙げられます。

その結果、金融機関から融資を受けやすくなったり、採用の際に優秀な人材が集めやすくなったりという効果が期待できます。

税負担の軽減

医療法人化と聞いて真っ先に思い浮かぶのは税負担が軽くなるということではないでしょうか。

個人事業主の場合は累進課税制度のため所得が増えれば増えるほど税率も高くなり所得が4,000万円を超えると所得税率は45%にもなります。

これに対して医療法人であれば税率は高くても23.2%であるため税負担が軽減されると同時に収支の予測もしやすくなります。

事業承継のしやすさ

将来的に子供に事業を引き継ぎたい場合の「事業承継」が個人クリニックに比して容易になります。

個人クリニックを相続するのと医療法人の引き継ぎでは相続税の金額が大きく変わってきます。

医療法人化のデメリットとは?

事務負担の増加

医療法人化した場合は、設立時の届出のほか法人税の申告など法人化に伴う運営事務の負担が増加します。

また医療法人は会計年度の終了後に事業報告書等を都道府県知事に届け出なければなりません。この事業報告書は誰でも閲覧可能である点に留意しておく必要があります。

社会保険への加入が必須

医療法人化に伴い社会保険と厚生年金への加入義務が必須となるため、その分の費用負担が増加することになります。

社会保険の掛金(給与の約30%)のうち、その1/2が法人負担のため大きな金額になる点には注意が必要です。

まとめ

今回は医院を法人化することによるメリットとデメリットについて解説しました。

医療法人化には大きなメリットがありますが、その反面デメリットも存在するため、法人化する際は様々な角度からその影響を検討する必要があります。