レンタカー代の勘定科目と仕訳|税理士が解説する実務ポイント

レンタカー代の勘定科目と仕訳|税理士が解説する実務ポイント

出張や営業活動で急に車が必要になったとき、レンタカーを利用する方も多いのではないでしょうか。最近ではスマホアプリで簡単に予約でき、法人や個人事業主にとっても身近な経費になっています。しかし、レンタカー代の勘定科目や仕訳は利用目的によっても判断が分かれるため、実務で迷うことが少なくありません。今回は、レンタカー代の勘定科目と仕訳について、税理士の視点から整理して解説します。

レンタカー代の勘定科目はどう処理する?

レンタカー代の勘定科目は、利用目的によって判断が分かれることがあります。たとえば以下のように区分すると整理しやすいでしょう。

  • 旅費交通費:出張時の移動や顧客訪問のために利用する場合
  • 車両費:自社車両の修理中や車検中に代替で利用する場合
  • 賃借料:レンタカーを一時的に借り受ける性質を重視した場合

実務の現場では「出張のときは旅費交通費」「営業車の代替なら車両費」「利用形態によっては賃借料」という整理がよく見られます。当事務所(大阪市)の顧問先でも、「どの科目を選べばよいか迷う」というご相談をよくいただきますが、社内ルールをあらかじめ定めておくことが、処理の一貫性と税務調査での安心感につながります。

レンタカー代の仕訳例

1. 出張や営業活動で利用した場合

顧客訪問や出張など、業務上の移動手段としてレンタカーを利用する場合は、「旅費交通費」として処理するとわかりやすいでしょう。電車代やタクシー代と同じ性質で、比較的迷わずに仕訳できる区分です。

旅費交通費として処理する場合の具体的な仕訳例は、以下のとおりです。

借 方金 額貸 方金 額
旅費交通費10,000現金10,000

2. ガソリン代を同時に支払った場合

レンタカー返却時にガソリン代をまとめて精算することもあります。ガソリン代については、会社の会計方針によって処理方法が分かれます。「旅費交通費」として処理する場合もあれば、「車両費」や「燃料費」として区分する場合もあります。いずれの場合も、会社内でルールを統一しておくことが大切です。

  • レンタカー代8,000円とガソリン代5,000円を支払った場合
借 方金 額貸 方金 額
旅費交通費13,000現金13,000

3. 保険料を含んだ請求の場合

任意保険や補償オプションが含まれる請求書をよく見かけます。このときは、保険料部分を「保険料」として仕訳に分けておくと、後々の確認や決算整理で迷いにくくなります。

借 方金 額貸 方金 額
旅費交通費10,000現金12,000
保険料2,000

このようにレンタカー代には、ガソリン代・保険料など付随費用が含まれることも多いため、会社内のルールに従い内訳を分けて仕訳することが正しい会計処理につながります。

実務での注意点とよくあるご相談

レンタカー代の処理で注意すべき点は以下の通りです。

  • プライベート利用は経費にならない
    休日の家族旅行で利用した場合は、会社名義のカードで支払っていても経費にできません。税務調査で特に指摘されやすい部分です。
  • 証憑の保管が重要
    アプリの利用明細や領収書は必ず保管してください。証憑書類が明確に残っていないと経費性を否認される可能性があります。
  • 消費税区分の確認
    レンタカー代は課税仕入ですが、保険料部分は非課税となります。請求書の内訳を確認して正しく処理することが大切です。

実際、大阪市内の顧問先でも「レンタカー代をすべて旅費交通費で処理していた」ケースがありましたが、保険料などを分けて整理し直すことで、会計処理の透明性が高まりました。こうした工夫が税務調査での安心感につながります。

まとめ

レンタカー代は「旅費交通費」「車両費」「賃借料」など目的に応じて使い分ける必要があります。さらに保険料などを分けて処理することで、正確な会計処理につながります。当事務所(大阪市)では、レンタカー代を含めた車両関連経費のご相談を多くいただいております。経費処理に迷った際は、ぜひお気軽にご相談ください。