タクシー代の勘定科目と仕訳|配車アプリ(Uber Taxi・GO・DiDi・S.RIDE)利用時の経理処理を税理士が解説

タクシー代や配車アプリ(Uber Taxi・GO・DiDi・S.RIDE)の勘定科目と仕訳を税理士が解説|実務での注意点とよくある失敗

出張や営業活動の際に欠かせないのがタクシー利用です。近年はUber TaxiやGOなどの配車アプリが普及し、利用者も急増しています。ただし、経理処理や勘定科目の判断は意外と迷いやすい部分です。本記事では、税理士としての実務経験を踏まえ、タクシー代の勘定科目と仕訳の考え方、さらに現場での注意点を解説します。

タクシー代の勘定科目はどうする?|基本的な考え方

タクシー代を経費計上する際、代表的に使われる勘定科目は以下のとおりです。

  • 旅費交通費:営業訪問や出張、役員・従業員の業務移動に伴うタクシー代
  • 接待交際費:取引先との移動や接待のために利用したタクシー代

基本的には 旅費交通費 として処理するケースが大半です。

判断基準の例

  • 社員の営業移動 → 旅費交通費
  • 取引先を同乗させた接待利用 → 接待交際費
  • プライベート利用 → 経費計上不可

実務の現場では、例えば「急ぎの資料を取引先に届けるためにタクシーを利用した」といったケースもあり、この場合も業務上必要な支出として経費処理に問題ありません。ただしプライベートと混同しないことが重要です。

タクシー配車アプリ利用時の仕訳|Uber Taxi・GO・DiDi・S.RIDEの事例

最近はタクシー配車アプリを利用する事業者が増えています。スマホから簡単に手配でき、クレジットカードや電子マネーで自動決済される仕組みが便利です。

利用時の特徴

  • Uber Taxi(ウーバータクシー):アプリ内決済が基本。領収書はメールで送られる。
  • GO(ゴー):アプリ決済と車内決済が選べる。アプリ決済なら履歴をアプリ内で確認可能。
  • DiDi(ディディ):クーポン利用など割引があるケースも。領収書は降車後メールにて取得。
  • S.RIDE(エスライド):PayPayなどキャッシュレス決済にも対応。領収書はアプリ内発行。

仕訳例

  1. アプリ決済(クレジットカード)
借 方金 額貸 方金 額
旅費交通費1,500未払金1,500

2. 現金払い(車内決済)

借 方金 額貸 方金 額
旅費交通費1,500現金1,500

3. 取引先との接待利用

借 方金 額貸 方金 額
接待交際費2,000未払金2,000

ポイント

  • 領収書を保存し経費証拠を残すことが重要
  • クーポン利用時は「割引後の金額」で仕訳する
  • 社員立替の場合は「未払金」で処理

実務での注意点とよくある失敗

タクシー代の処理はシンプルに見えますが、実務では次のような落とし穴があります。

よくある注意点

  • 領収書がない:アプリ決済で紙領収書をもらい忘れるケース。アプリから発行できる場合はダウンロードにて対応可能。
  • プライベート利用の混在:業務に直接関係しないタクシー利用は、経費として認められません。
  • 接待と業務移動の区別:誰と一緒に利用したのかをメモしておくと後々安心。

大阪市内での実例

当事務所の顧問先でも、営業訪問が多い企業ではGOやDiDiの利用が急増しています。特に大阪市内は交通網が発達している一方で、雨の日や夜間はタクシー利用が増えやすいため、月額で見ると意外と大きな金額になることも。仕訳ルールを事前に決めておくことで経理の混乱を防げます。

個人的な見解

私は税理士として、タクシー代の処理については「原則は旅費交通費、例外的に交際費」とルール化して処理するのをおすすめしています。実務経験上、このルールを決めておくと仕訳の迷いが少なくなり、会計処理がスムーズになります。特に中小企業や個人事業主の場合、処理の一貫性が税務調査での安心感にもつながります。「雑費」で処理されているケースも見かけますが、雑費は内容が不明確になりやすく、後から見直すときに分かりにくいためおすすめできません。

まとめ

タクシー代は基本的に旅費交通費で処理しますが、接待利用やプライベート混在には注意が必要です。特に配車アプリ利用時は、領収書やアプリの確認により証憑書類を確実に保管しましょう。当事務所(大阪市)では、こうした日常経費の処理や実務上の判断基準についてもご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。