Goodnotes利用料の勘定科目と仕訳|消耗品費と通信費の判断ポイントを税理士が解説

仕訳・会計処理

iPadでの手書きメモアプリとして人気の高い「Goodnotes(グッドノーツ)」。
会議や商談の記録、業務メモ、税理士事務所や士業でも業務効率化に役立つアプリです。ただ、実際に経理処理を行う際に「Goodnotesの利用料は消耗品費?それとも通信費?」と迷う経営者や経理担当者の方は少なくありません。
本記事では、税理士としての実務経験を踏まえ、Goodnotes利用料の勘定科目と仕訳例を解説します。あわせて、買い切り版・年払い版といった料金プランごとの注意点まで分かりやすく整理しました。

Goodnotesの料金プランと勘定科目の基本整理

まずは料金プランを確認しておきましょう。

  • 無料プラン:仕訳不要
  • 買い切り(一括払い)プラン:文房具の購入と同じイメージ → 「消耗品費」
  • 年払いプラン:サブスクリプション型サービス → 「通信費」

実務での判断ポイント

  • 買い切りプランは一度の支払いで永続的に利用できるため、消耗品費で処理するのが自然。
  • 年払いプランは継続利用が前提のクラウドサービスであるため、通信費とする方が全体的に分かりやすい。
  • どちらにしても金額は少額のため、固定資産処理は不要。

実務で大切なこと

  • 科目選択よりも 一度決めたら継続すること が重要。
  • SlackやZoomなど、他のクラウドサービスと勘定科目を揃えると、決算書が見やすくなる。

実際に大阪市内の顧問先でも、最初は「雑費」で処理していたものを「通信費」に統一したことで、会計データの見通しが大幅に改善した事例があります。

Goodnotes利用料の仕訳例

それでは仕訳を具体的に見ていきましょう。

無料プラン

  • 支払いが発生しないため、仕訳不要。

買い切り(一括払い)プラン(例:4,080円)

借 方金 額貸 方金 額
消耗品費4,080未払金4,080

※クレジットカード払いの場合、一般的には貸方は未払金で処理

年払いプラン(例:1,350円)

借 方金 額貸 方金 額
通信費1,350未払金1,350

補足

  • 「短期前払費用の特例」を使えば、年払いの費用も一括で損金処理可能。
  • クラウドサービス全体を統一的に処理することで、修正や見直しの手間を減らせる

実務での注意点とよくある失敗例

アプリ購入時の領収書にインボイス番号がない?

AppleからiPadなどのハードウェアを購入した場合、「請求金額のお知らせ」というメールに適格請求書が添付されています。

一方で、Goodnotesなどのアプリを購入した場合もAppleから領収書がメールで送られてきますが、この領収書にはインボイス番号や消費税額の記載がないケースが見られます。実際にサポートへ問い合わせても対応してもらえないという情報もあるため、処理の際には必ず内容を確認することが重要です。

よくある失敗例

  • 「少額だから雑費でいいだろう」と処理 → 後から修正が必要になる
  • サービスごとに異なる勘定科目を使用 → 決算書がわかりにくくなる

税理士からのアドバイス

  • 買い切りは消耗品費、年払いは通信費で整理するのが最もシンプル。
  • 科目選びよりも 一貫性を持って継続すること が何より重要。

まとめ

Goodnotesの利用料は、買い切り版であれば消耗品費、年払い版であれば通信費で処理するのが、実務的に分かりやすい整理です。税務署から否認されるリスクはほとんどありませんが、事業利用として継続的に使っていることが前提となります。例えば、業務に必要なツールとしてiPadやGoodnotesを利用している場合には経費計上が認められるケースが大半ですが、プライベート利用が中心と見られると否認される可能性もゼロではありません。したがって、業務での利用実態を示せるように、用途を明確にしておくことが大切です。また、他のクラウドサービスと勘定科目を統一しておくことで、決算資料が格段に見やすくなり、税務申告や経理担当者の確認作業もスムーズになります。

当事務所(大阪市)は、Goodnotesをはじめとするクラウドサービスやアプリ利用料の経理処理・税務対応を全国対応でサポートしています。もし勘定科目の選び方やインボイス制度対応について迷うことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。実務の現場感を踏まえたアドバイスで、安心できる会計処理をお手伝いいたします。