健康診断費用を会社負担したときの勘定科目と仕訳|個人事業主の場合も解説

健康診断の会社負担の仕訳と勘定科目|経理初心者でも迷わない実務ポイントを税理士が解説

従業員の健康診断費用は、会社が負担するのが一般的です。では、その費用をどの勘定科目で処理すべきか、また個人事業主本人の健康診断は経費になるのかどうか、迷うケースが少なくありません。本記事では、税理士として現場でよくある質問をもとに、健康診断費用の勘定科目や仕訳処理を整理して解説します。

健康診断費用の会計上の扱いと勘定科目

健康診断費用の基本的な扱い

会社が従業員の健康診断費用を負担した場合、原則として従業員の福利厚生費として処理されます。
福利厚生費は、従業員の健康や福祉の向上を目的として会社が負担する費用で、従業員全体に広く利益が行き渡る場合には損金算入が認められます。

勘定科目の選び方

健康診断費用は基本的に「福利厚生費」として仕訳しますが、次のポイントを押さえておくとより正確です。

  • 全従業員対象の法定健診:福利厚生費として処理可能
  • 役員のみ対象:給与扱いとなる

税務上の注意点

福利厚生費として損金算入できるかどうかは、会社全体の従業員に広く提供されているかが重要です。役員のみの場合は、給与課税扱いで処理をする必要があります。

会社負担の仕訳パターンと個人事業主の場合の取扱い

会社が負担する場合の仕訳例

例:従業員健診費用を会社が支払った場合

借 方消費税区分金 額貸 方消費税区分金 額
福利厚生費課税仕入100,000現金(不課税)100,000円

この場合は福利厚生費として処理し、損金算入が可能です。

消費税の取扱い

福利厚生費にあたる健康診断費用は、消費税の課税対象になります。
実務で「医療に関係するから非課税では?」と誤解されやすいですが、従業員の健康診断は医療行為ではなく会社の福利厚生の一環として扱われるため、課税仕入れになります。

そのため、消費税の仕入税額控除が可能です。実際に大阪の中小企業でも、顧問契約後に仕訳の見直しで消費税処理を修正したケースがありました。

個人事業主の場合の注意点

① 従業員の健康診断費用

従業員を雇っている個人事業主が、その従業員の健康診断費用を負担した場合は、法人の場合と同様に福利厚生費として処理できます。

借 方消費税区分金 額貸 方消費税区分金 額
福利厚生費課税仕入30,000現金(不課税)30,000円

② 個人事業主本人の健康診断費用

一方で、事業主本人の健康診断費用は経費にできません
これは、事業主本人の生活費・私的支出とみなされるためです。

この場合は以下のように「事業主貸」で処理するのが正しい方法です。

借 方消費税区分金 額貸 方消費税区分金 額
事業主貸(不課税)20,000現金(不課税)20,000円

大阪の個人事業主のお客様でも、最初は自分の健診費用を「福利厚生費」で処理してしまい、のちに修正した例がありました。税務調査では否認リスクが高いので、最初から仕訳を分けておくことが安心につながります。

実務でよくあるトラブルと税理士視点の対応策

トラブル例1:領収書の紛失

健診費用の領収書を紛失すると、経費計上が認められないリスクがあります。領収書の保存やクラウド会計ソフトへのアップロードを習慣にしましょう。

トラブル例2:役員分の処理ミス

役員健診費用を福利厚生費に計上してしまい、のちに給与課税として修正した事例もあります。会社規模が小さいほど、役員・従業員の区別が曖昧になりやすいので注意が必要です。

トラブル例3:個人事業主の誤解

実務では「自分の健診費用を経費にできる」と誤って処理されているケースが少なくありません。こうした場合、税務上は認められず、修正が必要になります。

まとめ

従業員の健康診断費用は、会社負担であれば福利厚生費として処理するのが基本です。ただし、役員のみ対象や個人事業主本人分などは経費にできないため注意が必要です。当事務所では、大阪を拠点としつつ、オンラインを通じて全国の事業者様にサポートをご提供しています。健康診断費用の仕訳や税務面で不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。