税理士試験の理論暗記方法について
税理士試験において避けて通れないのが理論暗記!ということで今回は私が受験生時代に試していた理論暗記の方法をお話しします。一般的なやり方とは違う方法で暗記をしていましたので、「普通の方法ではなかなか暗記できない!」という場合や「理論暗記で挫折しそう!」という受験生の皆さんに少しでも参考になれば幸いです。
近年では税理士講座においてデジタル教材の提供が開始されたり、かねてより医師国試など他の国家試験では膨大な量の書籍を手軽に持ち運べる手段としてデジタル勉強が普及しています。税理士試験の勉強においても特に理論暗記についてはデジタル化が可能なため私が受験生時代に実践していたiPadを使った勉強法をご紹介します。
目次
自分流の理論暗記方法を確立する!
税理士試験における税法の理論暗記は合格する上で避けて通れないものになります。しかも可能な限り一字一句暗記する必要があるため苦行になりがちです。巷では以下のような様々な理論暗記の方法が紹介されており、私も一通り試してみました。
理論暗記の第一歩は自分に合う理論暗記の方法を確立することです。この自分に合う方法さえ確立できればあとはゾーンに入ったかのように理論暗記を進めることができると思います。
音読で覚える方法
「声に出しながら読むことにより耳にも入ってくるため覚えやすい!」と言われている方法ですが、結論としては私には合いませんでした。
理由としては、「自習室などでは音読することができない」「暗記よりも読むことが目的となってしまう」などが理由です。理論に慣れていない初めの1回目はいいかもしれませんが、続けることが難しいと感じたためすぐにやめてしまいました。
書いて覚える方法
次に書いて覚える方法ですが、この方法は「とにかく時間がかかる」「手への負担が尋常ではなく腱鞘炎になりそう」などデメリットが大きいです。
直前期には膨大な量の理論を回す必要があるため、最終的には他の暗記方法に変えなくてはいけないことも想定し、この方法も採用しませんでした。
漢字の確認や精度の確認のため暗記が完了した理論を最後に一度書いてみるという使い方であればそこまでのデメリットはないかもしれませんが、私は基本的に書くのは演習や答練のときだけでした。書く時間があればできるだけ理論を回したほうがいいと考えていたからです。
音声を録音して覚える方法
暗記CDや自分の声を録音して暗記する方法ですが、この方法は「単に聞き流すだけになってしまう」ことや「暗記できる速度を調整する」のが難しいため断念しました。
こちらの方法も暗記が完了した理論を確認するために利用するのであれば使える方法かもしれません。
⭐️Numbers(Excel)暗記法⭐️
上記のような一般的な暗記方法がどれも合わなかったため、私は新たな方法を模索することにしました。財務諸表論での理論暗記をしたときに似たような文言がある理論は横に並べることにより一気に暗記できる方法を試していたことやiPadで眺める方が暗記しやすいということを認識していたため、Apple版のExcelの位置付けであるNumbersで暗記することに決めました。
他のタブレットでもできるかもしれませんが、iPadであればApple Pencilでマーカーを引くことができるので便利でした。
横のつながりを意識して理論を並べて配置!
税法の理論には同じような文言が使われていたり同じような構成になっているものがあります。また理マスや理サブでは離れて載っている場合でも繋がりのある理論があります。
このような理論を横に並べて同じ文言に同じ色のマーカーを引くことによりどこが同じでどこが違うのかが明確になります。
この作業が終われば違う部分だけを意識することができるため、似たような理論は一気に暗記することができるようになり効率が上がり時短に繋がります。
私は年内にはすべての理論をNumbersでデータ化し、マーカーを引く作業を年明けから直前期までに終わらせていました。
初めは時間がかかる作業ですが、一旦データ化しておけば後々の学習において作業効率が一気に上がります。大原にはありませんが、TACの理マスであればダウンロード版によりコピー&ペーストができるかと思います。
下記は実際の消費税法の理論の一部をNumbersに入力したものですが、理論構成が似ているため一気に暗記することができます。
他の場所では数色のマーカーを使ったり、背景色の変更や画像を添付することでより印象に残りやすいような工夫をしていました。
本だと無機質なページが続くため、なかなか覚えられないですが、似た理論を横に並べることやマーカーや背景色を変えてカラフルにすることによりどの理論がどこに書かれていたかを頭の中でイメージ化しやすくインプットだけではなくアウトプットの際に非常に役立ちます。
理論をデータ化することによるメリット!
理論を横に配置することにより一気に暗記することができるということのほかにも理論をデータ化することには以下のような様々なメリットがあります。
① 同じ文言がどこに使われているのか検索することができる
② 「文章比較ツール」などを使ってどこを間違えたか確認できる
③ アウトプットのときにその理論がどこに書かれていたかイメージしやすい
Pages(Word)で暗記!
Numbersに理論を一通り入力した後はPages(Word)にひたすらタイピングしながら暗記していました。
パソコンの画面の左にNumbers、右にPagesを配置し初めは理論を見ながら入力していきます。
タイピングでの理論暗記は書いて覚えるほど時間がかからずにアウトプットができ、更に音読や黙読よりも正確に暗記することができる点がメリットです。またインプットとアウトプットを同時に行うことができるため効率が良いです。
ちなみに文章比較ツールを利用した場合は下記のようなチェックが可能になります。上記と同じように左側にコピーした理論を貼り付けて右側に入力するだけです。このツールによりどこの部分を間違えているかを簡単に把握することができます。
寝る直前まで黙読しながら暗記!
理論をデータ化するメリットのもう一つは場所を選ばないという点と暗くても暗記できるという点です。
私はメインはiPad miniで暗記をしていましたが、iPhoneに簡単に同期ができるので電車などではiPhoneを片手にどこでも暗記することができます。また本だと寝る直前には横になっているため体勢が悪く本を持ちにくいことや電気を消すため暗記できませんがタブレットだと寝落ちする直前まで暗記することが可能になります。
様々なWebサイトでも紹介されていますが、暗記は寝る直前がおすすめです。
私は毎日寝落ちする直前までiPadを見ながら黙読し、翌朝起きたすぐに寝落ちする直前の理論を思い出す作業を繰り返していました。そうすると不思議ですが寝る前に暗記した理論が定着していることを実感することができました。
ちなみに寝る直前はあまり時間がないため、なかなか覚えられない理論や難しい理論など今自分が一番苦手としている理論を中心に暗記するようにしていました。最も暗記しやすい時間帯に最も苦手とする理論を集中的に暗記することにより苦手な部分を少しずつでも減らすことが可能になります。
直前期の回し方
確認テストや演習などで出題される可能性がある理論はその都度可能な限り暗記しますが、理論暗記に一番大事な時期は直前期だと思います。
Numbersで覚えやすく加工が完了した理論を直前期の3ヶ月間で回せるだけ回していきます。私は大原の理論暗記表を目標に徐々に回転スピードを上げていき、可能な限りタイピング暗記を続け、時間的に難しくなってきたタイミングで黙読に切り替えて暗記していました。
直前期までに暗記があまり進んでいない人も多いと思いますが、理論の暗記は残り3ヶ月で逆転できる可能性が高いものだと思いますので最後まで諦めずに続けることが一番大切です。
まとめ
今回は税理士試験における理論暗記の方法について書きました。
税理士試験では法人税法や所得税法、相続税法、消費税法、国税徴収法など様々な税法の科目がありますが、どの科目も理論を暗記するのは大変です。しかし、自分なりの暗記方法を模索し少しずつ進めていけば必ず暗記できます。
暗記方法は十人十色でそれぞれ自分に合った方法があると思いますので、今回の方法のうち少しでも役に立つ部分があれば参考にしていただければ幸いです。