iDeCoとNISAの違いや仕組みとは?
近年では「老後の2,000万円問題」が話題となるなど所得が上がらない中、老後の資金づくりやお金を増やすためにiDeCoやNISAに注目が集まっています。今回は投資の初心者でも手を出しやすく税制優遇も受けられるiDeCoとNISAについて解説します。
iDeCoとは?
iDeCoとは国民年金や厚生年金の不足分を補うことができる個人型確定拠出年金のことをいいます。
iDeCoは以下の3つの税制優遇が設けらています。
① 運用益が非課税になる
② 毎月の掛金が全額所得控除の対象となる
③ お金を受け取るときは「退職所得控除」や「公的年金等控除」の対象となる
iDeCoの掛金は最低月額5,000円からで上限は加入者によって以下のように変わります。
①自営業者(国民年金第1号被保険者) | 月額68,000円 |
②公務員(国民年金第2号被保険者) | 月額12,000円 |
③会社員(国民年金第2号被保険者) | 月額23,000円(企業年金なし) |
〃 | 月額20,000円(企業型確定拠出年金のみ) |
〃 | 月額12,000円(確定給付型企業年金) |
④専業主婦(国民年金第3号被保険者) | 月額23,000円 |
自営業者やフリーランスの場合は、上記のように月額68,000円(年額816,000円)を「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除することができ、さらにお金を受け取るときは「退職所得控除」や「公的年金等控除」の対象となることから高い節税効果が期待できます。
注意点!
①原則60歳までお金を引き出すことができない!
②元本割れのリスクがある!
NISAとは?
NISAとは株式や投資信託など少額の投資で利用できる非課税制度のことをいいます。
NISAには、投資できる金額が年間120万円までの「一般NISA」と年間40万円までの「つみたてNISA」があります。
一般NISAとつみたてNISAには以下のような特徴があります。
【一般NISA】
①投資できる金額は年間120万円
② 得られた利益が5年間非課税
③ 運用は株式や投資信託
【つみたてNISA】
①投資できる金額は年間40万円
②得られた利益が20年間非課税
③運用は投資信託の積立て
株式投資と投資信託の違いとは?
・株式投資の場合は自分で投資先を見つけて投資するのに対して、投資信託の場合はどこに投資するかをプロの投資家に任せることとなります。
・株式投資の場合は株式の購入時と売却時に手数料を支払うのに対して、投資信託の場合は購入時と売却時に加えて運用期間に対して信託報酬という手数料がかかります。
特定口座と一般口座の違いとは?
・NISA口座を非課税口座というのに対して、利益が出た場合に税金を納める必要がある口座を課税口座といいます。
・このうち課税口座には金融機関が税額を計算してくれる「特定口座」と、自分で税額を計算する「一般口座」があります。
・一般口座や特定口座のうち源泉徴収がないものは自分で確定申告をする必要がありますが、源泉徴収がされる特定口座の場合は確定申告の手間を省くことができます。
注意点!
①元本割れのリスクがある!
②複数の口座の利益と損失を合算する「損益通算」ができない!
③損失を最大3年間繰り越すことができる「繰越控除」ができない!
上記のようにNISAは得られた利益が非課税となるため大きな節税効果がありますが、元本割れなどのリスクがあるため投資先などを慎重に検討する必要があります。
まとめ
今回はお金を増やすために有益なiDeCoやNISAについて解説しました。
iDeCoとNISAは併用することができます。纏まったお金がある場合はNISA、老後資金をコツコツ貯めたい場合や事業の利益を抑えたい場合はiDeCoなど自分の置かれた状況に応じて弾力のある運用をすることができるので、iDeCoやNISAを利用して節税しながら上手にお金を増やしましょう。